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伊藤忠商事がDENBA+の実証実験開始

DENBA+「船舶向け生鮮品鮮度保持装置」船員の福利厚生などSDGsに寄与

食品の鮮度保持技術を開発・販売するDENBA(本社・東京)は、自社で開発した食品などの鮮度保持装置の海事関係企業への販売に注力している。同装置は船舶内の食品貯蔵庫などに設置することで、生鮮食品の鮮度を保つ効果があるという。船員の健康的な食生活を確保する福利厚生だけでなく、食品ロスの低減にもつながるため、導入する海運会社、船主・船舶管理会社にとっても利点が大きい。今後、SDGs(持続可能な開発目標)に資する試みとして注目を集めそうだ。

DENBAが開発した「DENBA+」(デンバプラス)は、食品などの鮮度保持や高品質冷凍・解凍などに応用できる空間電位発生装置。同装置が生み出す低周波電波によって電位空間をつくり出し、その空間内にある水分子に波長を与えて電子微細振動によって活性化させ、分子レベルで食品鮮度を高品質に保持する。これにより、例えばキャベツなどの葉物野菜でも1カ月程度、十分に鮮度を維持できる。

海運・造船業界向けポータルサイトを運営するマリンネットは2019年11月、DENBA+の海事関連企業向け独占販売代理店契約をDENBAと締結。船主などへの販売を始めた。

同年から、伊藤忠グループの外航船管理会社アイメックスの管理船舶や国内フェリーなどにDENBA+を搭載して実証実験を開始。いずれも高い効果を得られ、伊藤忠商事とアイメックスは保有管理船全てへの搭載を決定した。他の海運会社や船主でも購入するところが増加傾向にある。

DENBA+を船内の食品貯蔵庫に設置した船舶が豪州海事安全局(AMSA)の検査を受けた際、検査官に機器について説明したところ、船員のケアにしっかり取り組んでいると高く評価されたという。

豪州ではコロナ禍に対応してPSC(ポートステートコントロール、寄港国検査)強化に取り組んでおり、船員待遇の向上に資するDENBA+の存在は大きかった。

設置は本体ユニットを庫内に置き、放電シートを吊るすように設置するだけ。DENBA+の効果を最大限に発揮させる放電シートの設置方法は、マリンネットが現在詳細なマニュアルなどをDENBAと共に取りまとめている。コロナ禍で関係者が直接、訪船してDENBA+を設置できない中、船員が簡単に設置できるような参考動画も作成中という。

DENBA+の導入で船員の健康的な食生活維持につながるほか、食品ロスの効果も大きいため、海運会社や船主・船舶管理会社にとってもSDGsに資する試みとして関心を呼びそうだ。

日本海事新聞の記事はこちら

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